職と飲食

カンロ株式会社

「三度目の正直」で若い女性のハートを射止めたピュレグミ。

 

グミ市場でシェアトップを誇るカンロのピュレグミ。
すっぱいパウダーと果肉食感は「一度食べるとはまる」と若い女性に大人気。だが、ピュレグミがヒットするまでには紆余曲折があった。
開発ストーリーをカンロ株式会社の礒辺友里子氏に聞いた。

 

ピュレグミシリーズ

ピュレグミの定番はレモン、グレープ、ピーチ(スーパー限定)味。この秋にはシーズン限定商品として梅とゆず(コンビニエンス限定)が新登場。約13粒入り。形状はハート型だがまれに星型のグミが入っている。「食べる楽しみに加え、よりハッピーな気持ちになれるように星型を考えました。ここだけの話ですが当たる確率は10袋に1粒です」(磯辺課長)

 

―開発の背景をお聞かせください
ヨーロッパの食文化であったグミが日本で作られるようになったのは1980年代初頭です。88年に子どもを中心にグミブームが起こり、当社もグミの製造ラインを導入して販売を開始しました。ところがブームが去ると市場は冷えきってしまいました。製造ラインを生かすためにも新しいことに挑戦したいと考えていたとき、市場調査で輸入雑貨店で扱う輸入菓子の中で一番売れているのはドイツの製菓会社ハリボーのグミだと知りました。買っていたのは子どもではなく、若い女性でした。それをヒントに「ターゲットを子どもではなく、若い女性に変えてみよう」と考えて開発したのがピュレグミの前身ピュアグミです。

 

―開発でこだわったのは?
食感と形です。それまでのグミは弾力があり、かむとグニュっとした感じがしました。ハリボーのグミはそうではなく、歯が「サクッ」と入る感じなのです。それが女性に受けている要因と考え、ハリボーを超える、ドライフルーツの食感に近いものにしたいと研究室に無理を言って、さまざまな配合を試みてもらいました。形、大きさも女性の口にきれいにすっぽり入り、一口で噛めるにはどれが最適か色々と試行錯誤してハート形に決めました。でも1年半をかけて開発し、ようやく2000年に販売を開始したピュアグミは、わずか1年足らずで店頭から姿を消すことになりました。

 

フルーツのようなすっぱいおいしさの秘密は、独自製法によるすっぱいパウダーと果肉食感から生み出される。よく見るとハートの内側が少しくぼんでいるのがわかる。「歯がサクッと入る食感をより味わえるように、色々なタイプのくぼみの形状を試して決めました」(礒辺課長)

 

―どのような経過でピュアグミがピュレグミとしてよみがえったのですか?
ピュアグミは、女性がお菓子をバッグに入れて持ち歩くシーンが多いのを念頭に、食べ残してもパウダーが外にもれないようにジッパータイプにし、なおかつ机の上にも置けるようにスタンディングタイプのパッケージにしました。ところが、スタンディング小袋タイプの商品の置き場が小売店にはまだなかったのです。お願いしてお菓子売り場の片隅においてもらったのですが、まったく目立ちませんでした。次にジッパーを外し、パッケージを外国風の絵柄にしてジェリーグミの名で販売しましたが、これもダメ。グミは消費が早いのでジッパーは必要ないと考えたのですが、これが受け入れられなかったようです。そこでジッパー付きに戻し、ジューシーさを強調するデザインに変えて販売したのがピュレグミです。女性の集まる複合セレクトショップ「イッツデモ」に置いていただいたところ、とてもおいしいという評判が広まったのがヒットのきっかけになりました。3商品とも中身はほぼ同じですが、コンセプトをパッケージデザインでどう表現するかで売れ行きがこれほど違うのだと痛感しました。

 

―今後の方向性を
グミの周りにかかったすっぱいパウダーと果肉食感は当社独自の製法から生まれています。この特徴を生かして、この秋は「和」のトレンドを取り入れて梅とゆず味を新発売しました。今後も味にバラエティをもたせたり、チャネル限定でボトルグミを出すなど、常にお客様に驚きと楽しさを提供していきたいと考えています。

 

秋の新味は梅とゆず。「次に食べたいフレーバーは何かを常にリサーチしています。新味を選ぶ時に頭を悩ませるのは、何を選ぶかに加えて並んだ時のパッケージの色合いです。同色が重ならず、カラフルになるように心がけています」と語る礒辺課長。

 

[上]左から00年販売のピュアグミ、01年販売のジェリーグミすもも、現在販売されているピュレグミの定番レモンとグレープのパッケージ。デザインがジューシーで自然なものに進化している。「ピュレグミ発売時は、ただレモンと表記していましたが、現在は果汁をアップしイタリア産レモン、信州産巨峰というように産地へのこだわりもパッケージで表現しています」(礒辺課長)

[右]10月にはタレントの梨花さんを起用したテレビコマーシャルが全国放映された。

 

礒辺友里子(いそべ ゆりこ)氏

カンロ株式会社
開発本部 開発企画部 課長
礒辺友里子(いそべ ゆりこ)氏

1989年入社。ハードキャンディ、ソフトキャンディ、のど飴などの開発に携わる。99年からグミの開発を担当。00年発売のピュアグミ、01年販売のジェリーグミを経て、02年から販売を開始したピュレグミをヒット商品に育て上げる。08年から現職。「『ピュレ』はピュアとピューレを足した造語で、私が考えました。市場調査がきっかけとなってピュレグミの開発はスタートしました。これからも消費者の声を聞くことを大切にしていきたいですね」(礒辺課長)

 

【お問い合わせ】
0120-88-0422
http://www.purepure.net/